【壱番魔晄炉】







「………で。

後はコレを

おれが押せばいいのか?」





「ほら!

やっぱり聞いてないっ!


やっぱり寝てたのね!



作戦を伝えるまでもなく……


あなたは強いから、

そばにいてくれるだけで、いいけど……。」




「ティファ。

お前の復讐ってのは

マコウロの爆破か…?」










「そう………。

そうしないと、この星が滅びるの。」




「何っ……?」




「これは………

この星の為には

ううん…

人の未来の為には………

いつか誰かがやらなきゃいけない…

ことなのよ………。」





「言い訳してんじゃねェ………。


人の未来ってのは

人の手で守るもんだ……。



てめェにゃ手は貸せねェな………。」





「………えっ?




ここまで来て、何を言い出すの?ゾロ


ふざけないで………。」(怒)










「ティファ………。

仇が違うんじゃねェのか?




お前が、カタをつけなきゃならねェ相手は

お前だろう………。」





「ひどいよ………ゾロ。


じゃあ、なぜ私に協力してくれたの?

ずっと今まで………

そばにいてくれたの………?」




「お前に

伝えなきゃならねェことが

あるからだ………。」






「わかったわ………。




いつか聞いてあげる………


でも………



もう私にはないのよ、ゾロ………。」





「もう、あなたは………

邪魔でしかない………。




ここまで来るのに

仲間が何人も、命を犠牲にしてるの………。


バレットだって………

大怪我を負って………。」





「バレット?」





「アバランチの

本当のリーダーよ。



あなたが来る前に

ヤツらの罠にかかって……。」



「マリンは、彼のひとり娘………。



そして、彼は………

私の………

親代わりみたいなひと………。」







………………。(ゾロ)







「この計画の為に……

みんないなくなった………。


私は、たとえひとりでも…

引くわけには、いかないのよ………。」






「女だから………って

ナメないでね………。」








「それがどうした………?




仇討ちなら

男も女も関係ねェだろう………?」










「………………ゾロ。

私を斬るの…?」







刀を抜くゾロ…。






「ああ。

言ってもわからねェだろう?」




ヘリの近づく音…




「なんだ、アレは………。」





「プレジデント………!!!

神羅……!!!」




ヘリを睨むゾロ。




「結構、結構

仲間割れ、大いに結構。」



「能書きタレてんじゃねェぞ………おっさん。」(睨)




「まだ何も言ってませんよ。」




「言わねェでも、目が腐ってんだよ………。」






「プレジデント……神羅!!!!!!





………よくも!!!!!!


赦せない………!!!!!!」




「おおっと、お嬢さん

ヒステリックは、いけませんよ。」



「届かないんですよ

所詮

ワタシには

何をどう足掻いても



それが、"絶対的権力"というものです………。」



「弱者に抗う術はない。」



「弱者は、強者の食い物になって当然

それも、皆弱者様がイケナイ………。



弱いって罪だから。」





「まぁ、下等な君達には、理解できまいだろうが…



情報操作というのも、便利な道具でね…。」





「例えば………

明日の新聞記事には

こう載るでしょう。



反神羅組織の犯行か?



ほほほほほ…。」






「何の………………………話なの?」







「もちろん

魔晄炉の爆破ですよ。」





………!!!!!!(怒)(ゾロ)




「………ゾロ!!!」





「どけっ!!!!!!」






ヘリに向かって、斬撃を飛ばすゾロ

シールドに守られているヘリ




「何っ?」





「………無駄です。

ワタシはね

君たちとは違って常に

ココ(頭)を使っていますから。」






………………。


(シンラ………。)


報復を誓うゾロ。





「ゾロ!!!」







「フッフッフッフッ………。



これで、世界中が

弱小反乱組織の

敵となる………。」



「すばしっこい

ねずみを追いかけるより

簡単なことですね。


ほれ、ポチっと。」





爆破される、魔晄炉。





………!!!!!!(ゾロ、ティファ)





「では、ワタシは会食の予定があるので

失礼するよ。


全く、薄汚い連中ですね……。」



去って行くヘリ。










「そんな………………。










どうしよう………………ゾロ。」






「受け止めろ………。



これがお前たちの、望んだことだろう………?」(怒)




「ゾロ………………。」




「ティファ。

てめェは、自分の心配でもしてな……。

今不安なのも、

実は、自分が一番、傷つきたくねェからだろう?

てめェとも、いつかケリをつけてやる。



てめェは、汚ェ………。」






崩壊が始まる




真っ二つに割れる足元



「おわっ!!!」




「ゾロ!!!」




「他人の心配してる場合かよ!!!

早く行け!!!!!!」




「ゾロ!!!何とかして生きて!!!

私………

私本当は………!!!」





「てめェの為に

生き残ってやる義理はねェよ……。




運ってやつがありゃァ

おれァ、勝手に生き残る…。




おれは、誰の力も借りねェ………。」





「ゾロ!!!!!! ダメよ!!!!!!


絶対に手を放しちゃダメ!!!!!!」





「うるせェ女だ……。」


ティファを守る為

自分から手を放すゾロ。






「ゾローーーー!!!!!!!!!」








落下するゾロ。






















(まったく………。


どこも腐ってやがるなァ………。




………寝るか。)














落下中、気を失うゾロ。














『これで戦えってのか!?


この剣(つるぎ)は、猿共が持ってた洋剣じゃねェかよ。

刀を使わせてくれ………。』



『技は必要ない。



お前のように、技に頼って戦う剣士には

丁度いい訓練法だ。』



(……ふざけやがって………!!!!!!

てめェは高見の見物かよ…。)



『………わかった。』





『何を急く………ロロノア。


強くなりたければ、まず

心身共に、落ち着かせる事だ。』



『おれを否定しようってのかよ………。


おれはここへ、笑われる為に来たんじゃねェぞ………。』(怒)



『わかっているなら、感情を鎮めろ。』(睨)



『それが出来ないなら、おれに教わる資格などない………。』










『ふざけんなよ………。


てめぇで、てめぇを傷つけるなんて

正気の沙汰かよ!!!



………お前、冗談じゃねぇからな!!!

もうお前の手当てなんか、やってられっかよ!!!』



『お前は、人にも

自分にも

"鬼"だな………。



人にあらず。


お前には、感情がねぇ。』











(感情………………。)









(おれは………………



泣けねェ………。)








『ゾロ………。』


聞き覚えのある、少女の声がする…。






………?(ゾロ)





薄っすらとした視界に

花びらが舞う………




………くいな。







【もしも〜し。】





謎の声…




体………動かせるか?





あの時は………ひざをすりむいた

だけで、すんだけど………。



【あっ、うごいたっ!】






あの時ってのは、何だ………?



【よかった………。】






今はいいんだ………。




ゆっくりな、少しずつ………


少しずつ………。







てめェは誰だ??



名乗れ………!!!!!!










………。(ゾロ)


目を覚ますゾロ。

花畑の中にいる。







「だいじょうぶ?」


見知らぬ女が、顔を覗き込んでいた。






…………………。(ゾロ)







「ここは………………。」






「ここ?

スラムの教会

伍番街よ。」






………………。(ゾロ)






「いきなり、上から

人が落ちてくるんだもん………

びっくりしちゃった…。」











「教会………………だと??」










………………。(ゾロ)








体を起こし、立ち上がるゾロ。











「へェ。


"地獄"ってのは、案外悪くねェ場所だなァ。

花なんか咲いてやがんのかァ?」





「で、お前は………?



地獄の番人ってヤツか?」










「………………。


何、あなた?」










「おれは、神には祈らねェ。」








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