【伍番街の教会】







「おれは神には祈らねェ。

ここは地獄だろう?」



「失礼しちゃう!


ちがうでしょ、どう見ても。

ここは、伍番街の、教会よ。」





………………!!!(怒)(ゾロ)




「そんなハズはねェ!!!!!!



神サマに助けられるワケには

いかねェんだよ、おれァ!!!!!!」



「何怒ってるの?

あなた。」



「うるせェ!!!!!!」



「こわいひと。




じゃ、こう思えば?

お花さんに助けられたんだって。」



「あァん?」



「ほら、見て。」



ぐしゃぐしゃの、花たちを見るゾロ…。





「屋根と、花畑が

クッションになってくれたんだよ。

きっと。」



「あなたの運が

良かっただけだよ。」





……………………。(ゾロ)






「あなた、お名前は?」




「あァ?



ゾロだ…。」







「ぞろ?」




「ゾロだっ!!」





「あ、見つかった!

レノさん、出すぎ!」



「お前らの責任だぞ、と。」



「違いますよ!」











「ナンだ?

てめェらは………?」




「相手に、しないほうが、いいよ。」




「さ、どいてどいてっ!

お花さん、お手入れしなくちゃ。」


ゾロを押しのける女。




「お姉ちゃん

無視はひどいぞ、と。」




「名乗れ……。」(睨)




「おおっと

お姉ちゃん、この緑の侍

邪魔だぞ、と。」




「おれは、武士じゃねェ。

剣士だ。」





「あっ!

そうだ…。」





「ねぇ、ゾロ。

あなた、わたしのボディガード

ひきうけてくれない?」




「はァ?


何でおれが……。」




「わたし、この人たちに

追われてるの。



ここから逃がして。

家まで送って。」






「悪いが

そこまでしてやる、義理はねェ。」




「あっそ。」




花畑から、拾った花を、

ゾロの目の前で、くるくると、回転させる女。




「あ〜あ〜

お花さん、ぐしゃぐしゃにしたの

だれかなぁ。

お花さん、かわいそ。」




「くぅぅ………




わかったよ!」






「お姉ちゃんたち、早くしろよ、と。

これ以上は待てないぞ、と。」




「安心しろ。

時間はとらせねェ……。」


スー……




「運がなかったな、てめェら……。」















「あうううう…。」




「すごーい!

もうやっつけちゃった!」



キンッ




「お姉ちゃん、観念しなよ、と。

今度こそはだぞ、と…。」




「知らないわよ。」




去っていくタークス









「ありがとう。


今日は、さすがに

もうダメかなって

思ってたから…。」




「ヤツらは、何者だ?」




「知らないほうが、いいよ…。


なんだか、わかんないけど

よく来るの、あのひとたち…。」





…………………。(ゾロ)



教会の入り口を見るゾロ。




「ありがとう。ゾロ。

もういいよ。

わたしひとりで、帰れるから。」






「………………。


そうか……。


ジャマをしたな……。」





教会の扉に向かうゾロ。

扉の前で、振り返る。




「………。


ここは、どこだ?」



「ここは、伍番街よ。


気をつけてね。」




「伍番街…………。」 













30分後………



教会の入り口。





「おい。」




??(女)


(あれっ?

まだいたんだ。)




ゾロに近づく、教会にいる女。



「えっと、ゾロだったかな?

どうしたの?」



「残りを、始末しといたぜェ。」(悪)




「しまつ………って


まさか、ころしちゃったの??」



「殺すかァ!!! 

ちょっと、脅しただけだ…。」




「ふ〜ん。」



じぃ〜〜。っとゾロを見る女。



「何だよ?」



「ううん。別に。

ありがと、ゾロ。」





「フン…。」(笑み)






「お前、家は近いのか?」





「ここから?



どうかなぁ?

真ん中くらい?かな?」



(真ん中って何だよ…。)






「ハァ…。」

溜息をつくゾロ。



「仕方ねェ…。

おれが、送ってやる。」




「いいの?」




「ああ。


ありゃァ、おれがやったんだろう?」



遠くに見える、ぐしゃぐしゃの花畑…。




「ありがとう。



かなり、うれしい…かな。

ほんとは

まだちょっぴり

不安だったから…。」




(だろうな……。)




「勘違いするなよ。


おれは、義理を、果たすだけだ……。」




「ぎり………。


もう果たしてくれたよ。

さっき、おいはらってくれた、でしょ?」




「………

黙って来い!!!


屁理屈こねて

残党に、バラバラにされたきゃァ

好きにしろよ!!!」





………………。(ゾロ)




「な〜んか。

あなたって、こわいね。」





「…………あァ?」




(変わったひとだなぁ…。

助けてもらっていいのかなぁ??)





「ね、ちょっと、いい?」




「ちょっと?」




「そ。ちょっと。


片付けさせて。」




「ああ。

早くしろよ、おれァ用向きがある。」




「わかった。」







「おまたせ。



じゃ、行こっか。」






教会を出る二人…。







「こっちよ、わたしの家は。」



「あっ…!」


怯えて隠れる女。



「隠れる必要はねェ……。」




残党を追い払う。




キンッ





怯える女。




「何度も訊くが

ヤツらは何者だ?


ありゃァ、どう見ても

シロウト集団じゃねェ………。」





「神羅と、タークス………。



タークスは、神羅…。

悪いことは

何でも、ひきうけて

やっちゃうひとたち…。


困ったひとたちだね…。」




「何故、お前が、狙われる………?」




「う〜〜ん。



どうしてだろう?」





(話せねェ。って、ところか…。)















【四番街・女の家の前】







「はい、これ。」



「んん?」



小さな花を、ゾロに差し出す女。



「助けてもらった、お礼。

こんなのしかないけど…。」



「受け取ってやりてェが

ガラじゃねェ…。」



「くすくす…。

そうだね。」

(お花なんて、はずかしい…よね。)



「じゃあ…

何もお礼もできなかったけど…。」


「助けてくれて、ありがとう!

ゾロ。


元気でね!」


小さく手を振る女。








「………………。


ここは、何処だ?」




「ここ?

ここは、四番街、よ。」



「四番街………。」

(逆へ来ちまったのかァ?)



「伍番街は、どっちだ…?」



「あっち、かな。」


指差す女。




………………。(ゾロ)




「どっちから来たか

わかんない?」



「わかるわっ!!!」(怒)



「案内しよっか?」




「あァ…?


いらん……。」



「あっそ。



じゃあね、剣士さん。」




「………………。


七番街は、どっちだ?」



じぃ〜〜。っと、ゾロを見る女。



「何だ?」



「やっぱり、案内しよっか?

うまく、説明できないもん。」




……………………。(ゾロ)




「案内してェのかよ。」




考える女。

案内したい訳ではなかった。




「う〜〜〜ん。



うん。」




「フン…。」(笑み)




「いいだろう………。」





「あっ。

でも、ちょっと

待っててね。」








【女の家】







「おばちゃん、悪いな………。」(悪)




………………。(女の母)




(ひそひそ…。)


「あんた、これっ!」



「な〜に?」



「あのひと………大丈夫なのかい?」



「心配ないよ。

やさしいひとだから。」



「そうじゃなくてさ、あんた。

お聞き。」





「アタシは、反対だよ。」




「どうして?」



「あんたが、もうここへは

戻って来れない気がする………。」




「なに、言ってるの??」



「親の勘としか、言いようがないよ………。」



「お母さん………。


わたし、だいじょうぶだよ。

もう子供じゃないから。」




「……………いいや。


あんたは、子供だよ………。」




「ちがうでしょ。もうっ。」(怒)












窓から眺める女。



「泊まってけばいいのに。」





『もう遅いから、今夜はここへ泊まって

明日にしたらどうだい?』




『おばちゃん。

せっかくだが

おれァ、休んでるヒマはねェ。

ジャマしたな…。』




(って

出て行っちゃったけど………)





(………





ず〜っと、同じところを

うろうろしてるなぁ。)




(あ………!




あんなところで

寝ちゃった………。)





(………………。)






(よし………!)




















翌日 

早朝





「お早い、ご出発ね。」




「てめェこそ、早ェな………。」





「フン…。」(笑み)



「くすくす…。」





「七番街だったわね。


えっと……


七番街の、どこに行くの?」




「店の名前は、知らねェが

ティファっていう、女がやってる

店に行かなきゃならねェ。」




「ティファさん?



夜中まで、うろうろして〜


急いでるんだね。」




「勘ぐるな。

無事かどうか、知りてェだけだ。」




「ふ〜ん。



彼女?」




「違ェ〜よ。」




「くすくす…。


否定すると、余計あやしいよ。」




……………。(呆)(ゾロ)




「七番街の、ティファさんの店ね。

わたしが、案内するね。


こっちよ、ゾロ。」





「んん?


こっちじゃねェのか?


おれは、こっちへ行く。」





「う〜ん。

こっちは、逆かもしれないよ。

ね、向こうから、行ってみようよ。」





「ハァ…。」(呆)


「まったく………。


勝手なヤツだ……。」




「親は、大丈夫なのか?」




「うん。

心配性なだけだよ。」












【七番街への道】


街灯がまばらな、暗がりを

二人で進む。







"癒しの風"

女には、傷を癒す

不思議な力があった。


ゾロはこれが気に入らなかった。

戦闘中に、ふっと脱力する…。

癒されるような感覚に

背筋が凍るような

激しい嫌悪感を感じた。


ありがた迷惑!!!

コレはやめさせなければ。




「てめェ………余計なコトしやがんな!!!」(怒)


「おれに癒しは、必要ねェ」(怒)



「いやし?」

女は不思議におもう。

癒しているつもりはなかった。



「でも、あなた、怪我してるよ。」



「必要ねェ。」



「ふ〜ん。

じゃあ、あなた、お医者さんに

みてもらわないひと?」




「医者………?」




『ゾロ!お前、大丈夫か?』




………………。(ゾロ)




「ほ〜ら。

わたしのわざと

どこがちがうのかなぁ??」



「とにかく、チカラが抜けちまうからやめろっ。」




「う〜ん?

なれれば?」



「ナレルかっ!!! やめろ!!!

減らず口の絶えねェ女が………!!!」(怒)




「おんな………。」

女はゾロの言葉に、嫌悪感を感じる。



「あなた、女の子バカにしてない?

あなたに言われると、かちんときちゃう」(怒)



「てめェは、女じゃねェのか?」



「う〜ん、な〜んか、あなたに言われるのは

いや。かな?」


ゾロの言葉に、押さえつけられる感覚があった。




「うるせェ…!!!」


男として未熟だ、と言われた気がして怒鳴った。




「くすくす…。」


こだわる自分がおかしく思えた。


「でも、いいよ。

わたし、女の子だもんね。」

(気にしない、気にしない。)




………………。(ゾロ)




「さっ、つぎ行きましょ!

まだ先は、長いから。



こっちよ、ゾロ。」










女は、戦いが終わると、身なりを整え

胸に手を置き、安堵の表情をうかべ

小さな溜息をつく。




……………………。(驚)(ゾロ)




(何だコイツは………?

緊張感のねェ…………。)



ゾロは女の姿を、まじまじと見る。





(コイツ、まさか………!!!!)





………………。(ゾロ)




(女神か………。)



女の中に、ゾロにとって、最も気に入らないモノがあると感じ

また嫌悪感が込み上げる。

虫唾が走る。背筋がぞっとする。そういう感覚だった。


この女が存在していることを、否定したい。

この世に存在するハズがねェ…。

ありったけの、文句をつけてやろうと考える。

傷つける。




「おい、女………。

てめェは、緊張感のカケラもねェのか……?」


「ナメてやがんのかよ………。」(睨)

「勝負の世界を………。」




「おんな………。」




「まあ、それでもいいけど。

わたし、エアリス。

よろしくね。」



「エア…栗鼠?」



「くすくす…。」



「名前を訊いてんじゃねェだろう!!!

バカ野郎が………!!!!」(怒)


ゾロは、女の愛らしい名を知る。












「ねぇ、ゾロ。」



「はァん?」



「あなたは、いくつ?」





「………………21だ。



…………てめェは?」





「わたし?

いま、22さい。」



(ん?

22って…コトは

おれより年上かよ!!!)



………気に入らねェな。そう思った。




………………。(ゾロ)




「ゾロは、18歳とか19歳に見えるね。

もっと、年下だと思ってた。」


女は無邪気に笑う。





「………フッ。


好きに思え……。」(笑み)



ゾロは、本当は頭にきていたが

少し余裕を見せてそう言った。


エアリスは笑顔で応えた。















【七番街前の公園】







「わぁ…。

なつかしい………。


まだ、あったんだ……。」






………………。(ゾロ)


寂れた公園は、少し切なく感じる。

ここを懐かしいと言う、女も同様に。





「ね、ゾロ……。


あなた、ソルジャーに

会ったこと……ある?」



「ソルジャー……?


さぁな。

おれは、聞いたこともねェが…。

誰か捜してるのか?」




…………。(エアリス)


(このひと、するどい…。)





「ううん……。


もう、いいの……。」





「そいつの、名前は…?」







「ザックス………。


ソルジャー、クラス1st…


わたしが、初めて

好きになったひと………。」





…………………………。(ゾロ)

女の身の上を切なく思う。





「さてと。

わたしは、そろそろ行かなくちゃ。」




「ここで、別れだな……。」




「うん…。


ここを出て、真っ直ぐ行けば

七番街のゲートだから。

ちゃんと、開くから。


ここから見てるよ。」




「剣士さん。

がんばってね。」





「…………ああ。」






「……………んん?」




ゾロは、辺りを見る。


日の当たらないスラム街…。

改めて見ると、街灯はまばらで

不気味に薄暗く、来た道は

完全に闇に閉ざされている。




「帰りは、お前一人で大丈夫か?」




「大丈夫だよ。



わたしだって、スラム育ちよっ。

危険なことには、なれてるわ。」




ゾロは様々なことを思う。




「ダメだ…。

おれが、送り届けてやる。」




「また、戻るの??

わたしが、送ったのに??」




「ああ。

それでいい。」





「ほんとに〜?


うれしい。けど…

それは、やめといたほうが、いいよ。」




「何故だ?

なぜおれが、お前を送っちゃならねェ?」




「なぜって、あなた…。」
















七番街のゲートが開く。



馬車に乗せられた女。





「んんっ?


ありゃァ、あいつか…??」




「もしかして、ティファさん?」






「ああ…。

妙なナリしてやがるが

アイツは、ティファだ。」






「様子………変だったね。」







「何だ??

とうとう、捕まっちまったのかァ?

あいつァ……。」





「よし…!!」


突然走り出すエアリス。




「おいっ!!!

栗鼠!!!」





「ゾロ、いそいで!!


六番街よ。

ティファさんが、連れて行かれたのは!

早くしなくちゃ!」





「六番街………?」




逆方向へ走り、エアリスを見失うゾロ。




「んん…?

アイツは、どっちだ??」




「ゾロっ!


こっち!」





「そっちかよ……!!!」















【六番街】







「あのね………。」






「もしかして…。

あなたって、方向

大丈夫じゃないひと?」



「そうでもねェ………。」




「………なるほど。」








「ナンだ、ここは?」



「ここは、六番街……。


危ないところよ。

特に、女の子には……ね。」





……………………。(ゾロ)




「わたしも、手伝うわ。

早くティファさん

見つけないと!」



「いや…。断る…。

ここは、そう安全な、場所じゃねェ……。」




「そ、じゃあ…。


わたし、見学していくね。

せっかくだから。」


ふらっと歩き出すエアリス。




…!!!(ゾロ)


(何っ??)




「おいっ!!!」

グッ!!


エアリスの、腕を掴むゾロ。




「いたっ!」




「わからねェのか、てめェ…!!!


ここは………何だ

色町みてェな所じゃねェのかァ?」




「だったら、なに?」




「何じゃねェだろう……!!! 」(怒)




「ひとりで帰るなっ。

ここにもいたらダメっ。って

じゃあ、わたし、どうすればいいの?」






「………………。

面倒臭ェが

一緒に来い。」






「わかった。から


はなして…。」(怒)





「気をつけろよ。


攫われたって、文句は言えねェ…。

ここは、そういう危ねェ場所だ………。」




楽しそうなエアリス。




「聞いてんのか!!!

てめェわ!!!」(怒)




「わかってるよ。」(笑顔)




「まったく……。


とんだ女に、頼んじまったな……。」




















【蜂蜜の館】







「なんだココは………?


フザけやがって…。」



「ね、行って見て来て。」



「はァッ??!!」




「入って、調べてきて。

ティファさんが、いるかもしれないから。」



「お前は……?」



「ここで、待ってる。」



「何で、おれが………。」




「女の子は、入れないの。


さ、早く、行って。」






「てめェ………。


そこで、オトナシクしてろよ………。」(怒)




さぁ?と

今にも、ふらふらどこかへ行きそうな様子

その後、女がどうなるかは、容易に分かる。




………………………。(怒)(ゾロ)




その辺のチンピラに、命令するゾロ。



「おい、お前ら!!!



コイツを、見張ってろ。」



「ああん?

何だと?てめぇコラ」



チャキ…(睨)


「それが、"返事"かァ?」



「うっ………。


はいっ!

分かりやした、兄貴!!!」




「フン………。」

















【蜂蜜の館前】







………………………。(ゾロ)


すごい仏頂面のゾロ…。

駆け寄るエアリス。




「なにか、わかった?」





「ああ。

ここへ来る前に

ドン・コルネオって奴の

屋敷に、連れて行かれるらしい。」




「ココで働きてェとは…。

何考えてやがんだ?

あいつァ…。」



「きっと、なにか、事情があるのよ。

屋敷へ急ぎましょ!」


















【ドン・コルネオ邸前】







「ここだな…。」


スー……。



「ちょっと、待って!」



「何だ?」



「騒ぎを、おこすの?」




「いや…。

ちょっと、ジャマして

連れ戻すだけだ。」



「十分、騒ぎになるでしょ。」



「何でそんなに

騒ぎにしたくねェんだよ。」



「う〜ん。


もしかしたら、ティファさん

自分から、ここへ来たのかも…。

と思ったの。」



「ん?」



「ティファさんが、あなたの………

彼女?」




カチン




「そうじゃねェ。

あいつは


元仲間だ。」




「おれにとっちゃァ、大事なコトなんでね…。

そこは、ちゃかさねェでもらえるかァ?」





「こわーい…。」





「どこが、怖ェんだよ!!!

おれァ、フツーにしゃべっただけだろう!!!」



「だって、にらむんだもん…。」




「睨んじゃねェッ……!!!」





「にらんでるじゃない。」




「どこがだよ…!!!」




「……。

えっと、ティファさんは

もと恋…ちがった、仲間、ね。」



「………人の話を聞けェ…!!!」(怒)




「もうっ。

もと仲間、なのね?


これでいい?」



(何を必死に…。

アホか、おれは………。)




「………ああ。

あいつは、元仲間だ。」





「ティファさんが

あなたの、もと仲間なら

とっても強そうだし


逃げようと思えば

逃げられるんじゃないかなぁ…?」





「………確かにな。

アイツなら

造作もねェ…。」




「なにか、あるんだよ。」







………………。(ゾロ)




「女………。

その前に、はっきりさせておきてェ。」




「………。


な〜に?」



「おれは、こういう目なんだ。

てめェを、威嚇してんじゃねェ。」


鋭い目つきで、エアリスを見るゾロ。





「………わかった。


ごめんね。」





「まったく………。


………で、どうするんだ?」




「わたしが、行ってくる。

ティファさんに、あなたが来てること

伝えてくるね。」



「お前一人で、大丈夫なのか?

そこまで、腕が立つとは思えねェが。」



「そうじゃないよ。

わたしを、かってもらうの。」



………!!!(ゾロ)



「アホかーーーーー!!!!!!」(怒)



「てめェは、何を考えてやがるっ!!!

そんな簡単なモンじゃ

ねェだろう………!!!!!!」(怒)





「もうっ!!

さっきから、あなた!!


どうして、いちいち

怒るの??」



「まぁ、聞きなさいって。

フリよ、フリ。

そういう、作戦。よ。」




「………ダメだ。危険過ぎる。

許可できねェ…。」




「じゃあ、もしもの時には

助けに来て。

きゃ〜 って、言うから。」



ブチッ…。(怒)(ゾロ)



「"言えなかったら"………!!!!!!

どうするんだ………!!!!!! あァ??」(怒)


「世間知らずの女が………!!!

野郎を、ナメてかかるのも、大概にしろ………!!!!!!」(怒)




「もう…。

じゃあ、どうするの…?」





「そこにいろ………。」(睨)





「わ、わかった…。」





















真っ二つに斬られた

ドン・コルネオ邸。



(うっわ〜。

ここまで、しちゃわなくても…。)




「お前も来い…。」




「………うん。」






「フン…。

コイツも、ダメだ。

全員、いっちまったか。」



「どこかな?

ティファさん…。」






地下室





「……おじゃましま〜す。」






「ティファ………さん?」




………?(ティファ)




「「あっ!

あなたは!」」



「お花買ってくれたひと!」



「そうだよね、あの時の

花売りさんだよね!」



「きゃ〜



また、会えたね。」



「うん。

また会える、気がしてた。」



「わたし、エアリス。」


「私はティファ。

もう知ってるよね?」




「てめェら、知り合いだったのか?」




「ちょっと、ゾロ!

どういうつもり!

上で大暴れしたの

あなたなんでしょう?」




「ああ……。

てめェを、助ける為だ。」




「もうっ!!

わかってないんだから!!」


「怪しい情報を、手に入れたから…。

私は、それを調べる為に

わざとここへ、潜入してたの。」


「ドン・コルネオに

直接会って

真実を

吐かせる為に。」




「ああ。

コルネオって

上に居たヤツか?」





【屋敷跡】







「あ………居た。」





「ほひ〜………。」

瀕死のコルネオ。



部屋の隅で

エアリスが、尋問している。



「訊けるかなぁ?

もしもーし。」



「ほひ〜〜……。

みんな、死んじまぇ〜。」



「あんた、なによ!」(怒)


「てっかいしなさいっ!

いまの、ことば!」(怒)








「とにかく………。

また会えて、よかったよ………。


ゾロ、あれから…

どうやって助かったの?」



「ああ…。

コイツに、救われた。」



「そう………。

エアリスが、助けてくれたのね…。

よかったわ。」




「あれから、私なりに考えたんだ…。

これでいいのか、って………。



やっぱり、よくないよね………。」




「バレットは、私が説得する………。

説得できる人間に

私はなろうと思うの………。」





「あなたにも、会わないと………。

捜したんだよ、ゾロ…。


助けてくれたんだよね…

守ってくれたんだよね…。


ひとことでも

お礼を言いたかったの………。」






「………………。


仲間内で、礼なんて、必要ねェ。」




「そう………?


ありがとう…。」




「失ったものは、戻らない……。

でも、だから、これからの私は…

守りたいものを

守れる人になる………。



それにはまず、七番街のウワサね………。」




「ウワサ?」




「そう…。

笑えない、ウワサ…。」




「ハァハァ…。

お兄ちゃん

お姉ちゃん

エライエライ。


オレもふざけてる

場合じゃないな。」





「そうね………。

もうこんなこと

終わりにしようよ…。


ドン・コルネオ。」























「どうしよう………………ゾロ。

もう間に合わない………


マリン………

スラムの人たち………


みんなみんな………。」






「もう逃げるのか?」






………………。(ティファ)






「あきらめない

あきらめない。

あんなに、おっきな

柱こわすなんて

そんなに、簡単な

ことじゃないよ。」




「エアリス………。」





「ゾロ………。

また、助けてくれる………?」



「ああ。

行くぞ。」



















「おい……栗鼠女。」



「ん?

わたしのこと?」



「そうだ。」



「まさかっ、ここから帰れ、なんて

言うんじゃないでしょうね。」



「違ェよ。」



「これがすんだら

家まで、送ってやる………。


少しばかり、待たせるだろうが

勘弁してくれ…。」



「ふ〜〜ん。」



「何だよ?」



「別に。」

プィ。(拗)



「気にしないで、ゾロ。

わたしが、勝手に

ついて来たようなものだし


こうしてまた

ティファにも、会えたし。」





「そうか………。


すまねェな………。」(笑み)














【七番街・プレート支柱】







マリンの避難を

エアリスに頼むティファ。

ぎょっとするゾロ。




「ティファ。

マリンを、助けに行け。

ここは、おれ一人で十分だ。」



「えっ?」



「アイツは、花売りサンなんだろ?

堅気の女を、これ以上巻き込むな…!!!」





「そんなの、関係ないよ!!

ティファ!!

マリンちゃんの、いるところ

わたしに、教えて!!」




「エアリス………。」




「セブンスヘブンっていう

私の店にいるの!!!


こわかったら、カウンターの陰に

隠れるくせがあるの!!!

そこを、捜してみて!!!」



「わかったわ!!」


マリンの救出へ、向かうエアリス。




「あの栗鼠女……。」(呆)





「ゾロ、敵が来たわよ!!!」








inserted by FC2 system